バランスシート経営と言われて久しいですが、バランスシートの体質が良くなったかどうかが経営の最重要テーマになります。
利益は出たが、バランスシートが良くないというのは、優れた経営とは言えません。
損益計算書は1年単位の通信簿で、貸借対照表(バランスシート)は会社の創業からの履歴書と同じです。
過去は誤魔化せませんが、将来は変えることができます。
財務計画・貸借対照表の様式
様式はこちらになります。

財務計画・貸借対照表の作成手順
作成手順は以下のとおりです。
- 直前期の決算書の貸借対照表から数字を転記する。
- 初年度の対前年比の増減を今まで作成してきたシートから転記する。
- 前年度の数字+増減を計算して記入する。
- 以下2年度から5年度まで繰り返す。
- 重要指標を計算して記入する。
直前期欄の転記
直前期は決算書が既にできているので、貸借対照表を見ながら全ての数字を転記していきます。
対前年比の増減を転記
今まで作成してきた各シートで、対前年比の増減が計算されているので、その増減を各年度の左側の欄に転記していきます。
土地・建物で購入や売却予定が無ければ「ゼロ」で構いません。
前年度の数字+増減を計算
「前年度の数字+増減」を計算して、各年度の右側の欄に記入していきます。
この作業を初年度から5年度まで全て行います。
計算が大変ですが、機械的に行っていけば問題ありません。
重要指標を計算
貸借対照表が完成しましたら、次の6つの重要指標を計算して、計画に問題がないかをチェックしていきます。
総資本収益率(%)
計算式は次の通りです。
この指標は、年度ごとに上がっていくのが理想ですが、5年後の数字が直前期の数字より上がっていれば良しとします。
売上高利益率(%)
計算式は次の通りです。
この指標も総資本収益率同様、年度ごとに上がっていくのが理想ですが、5年後の数字が直前期より上がっていれば良しとします。
総資本回転率(回)
計算式は次の通りです。
この指標は「1」以下は良くなく、「2~3」が妥当だと言われています。
流動比率(%)
計算式は次の通りです。
この指標は、120%以上で問題なしとなります。
当座比率(%)
計算式は次の通りです。
この指標は、70%以上で問題なしとなります。
現金比率(%)
計算式は次の通りです。
この指標は、30%以上で問題なしとなります。
最後に
これで全てのシートの記入が終わり、11回に渡ってご説明してきた長期事業計画書が完成しました。
経営とは難しい物で、中々思い描いたとおりに物事は運びませんが、この長期事業計画書を作っておくと、何かあった時もドンと構えていられますし、修正も割と簡単にできます。
慣れないうちは作業が大変でしたが、大事な会社の存続が掛かっていると思うと頑張れますし、何より会社の未来を想像しながら数字を作っていくのが楽しいものです。
今年の長期事業計画書は作り終えているので、来年以降も頑張って作っていきます!
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