私は、人件費計画を損益計算書と貸借対照表と同じくらい重要だと考えています。
その理由や作成方法を見ていきましょう。
人件費計画の様式
様式はこちらになります。

人件費計画が重要な理由
皆様の会社の労働分配率は何%になっていますでしょうか?
私の会社の労働分配率は概ね60%程度で、もちろんですが、最も大きな経費になります。
つまり、人件費計画が会社の業績を大きく左右すると言っても過言ではありません。
そのため、売上高・売上総利益の社長の思いに合わせて、社員の増員等の雇用計画を考えていかなければなりません。
また、人件費を低くすれば売上総利益は上がりますが、低くし過ぎると社員が辞めていくことになり、結果的に売上高・売上総利益が下がってしまうことも考えられます。
シート1枚に記入していきますが、様々なことを考える必要があります。
人件費計画の作成手順
具体的な作成手順は以下のとおりです。
- 直前期の決算書から、法定福利費込の人件費を算出して記入する。
- 初年度から5年度の雇用(増員)計画を考え、年度ごとに記入していく。
- 正社員と非常勤社員(パート)をそれぞれ計算して、年間の人件費を計算する。
- 年間粗利益を運営基本計画から転記する。
- 期中平均社員数を転記して、労働生産性を計算する。
直前期の人件費を算出
前回説明の運営基本計画の作成時に、直前期の人件費(法定福利費込)の総額は算出してあるので、それを正社員と非常勤社員(パート)に分け、さらにそれぞれの社員数を数え、既存人員の欄に記入していきます。
この数字が今後5年間の人件費のベースになります。
雇用(増員)計画を考えた上で年間人件費を計算
前回記事の運営基本計画で考えた売上高・総売上利益を達成するために必要な人員を考え、採用人数・給料を表に記入していきます。
期初以外の期中採用の場合は、0.5人として、採用年度の給料は半分で計算していきます。
人件費係数は、年間の給料が、月の給料の何倍かなので、賞与が2ヶ月分あれば人件費係数は14,賞与が無ければ12になります。
ここは、1回で5年分の数字がまとまることは、ほぼありません。
運営基本計画で算出された人件費より、多ければ雇用数を減らしたり、給与改定率を減らして再計算していきます。
私は毎年、ここだけで3回は計算し直します。
売上総利益(年間粗利益)を転記
運営基本計画から売上総利益を年間粗利益欄に転記します。
期中平均社員数を転記
この表の上側で計算した平均人員の合計を転記します。
労働生産性を計算
年間粗利益 ÷ 期中平均社員数 で1人当りの年間労働生産性を計算します。
新規事業等の先行投資で一時的に下がっても、5年後に上がっていくように雇用計画を考えていきましょう!
これで、人経費計画は完成です。
他のシートと違い、売上高・総売上利益の数字が変わらない限りは、後で戻って修正はありません。
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