多くの中小企業は銀行等の金融機関から融資を受けて成り立っているのが現状です。
私の会社も例外ではありません。
銀行ありきの経営ではありますが、昨今、銀行を取り巻く状況が大きく変わってきているので、私なりの銀行との付き合い方を綴ってみます。
銀行を取り巻く状況
私が社会に出たのが平成5年、社長に就任したのが平成18年なので、それ以前のことは直接は知りませんが、経営の大先輩達から話しを聞くと、銀行はそれなにり強い立場だったようです。
お金を融資しているので、当然と言えば当然ですが、経営に口を出したり、金融商品を勧められたり等、無理な注文が色々あったようです。
ところが、昨今(少なくても私が社長に就任して以降)は、全くそのようなことはありません。
金融再編、銀行再編という言葉をあちこちで耳にしますが、これらの詳細は他サイトに譲るとして、日本の少子高齢化による人口減少、市場の縮小化が主な原因で、企業も生き残りに必死な訳で、さらにその企業に融資をすることで経営が成り立つ銀行も生き残りに必死になっているのが現状です。
今までも銀行の統廃合が日常茶飯事のように行われてきて、今後もその流れは続くどころか、新型コロナウィルス感染症の影響で加速していくものと考えられます。
私の会社のメインバンクであるMZH銀行は、社内の部署を整理統合することになったと担当者から聞きましたし、今後の融資については、基本ZOOM等を利用したオンラインで面談を行うと通知してきました。
今までのような銀行員が企業を訪問するやり方を一新するようです。
銀行との付き合い方
だからと言って、銀行を軽視はできません。
何故ならば、会社がいざお金が必要になった時、お金を貸してくれるのは、身内や友人ではなく銀行だからです。
それなりの距離を保ちながら、付かず離れずで、付き合っていく必要があります。
前述の状況のため、銀行の担当者が定期的に訪問することは皆無です。
そのため、下手をするとその担当者と顔を合わせることなく、担当者が転勤してしまうなんてこともあります。
それ位、通常時の銀行の担当者との付き合いは薄いです。
それでも、会社で融資を受けたいとなると、一気に銀行の担当者との接点が多くなってくるので、ほったらかしもよくありません。
ですので、私が行っている唯一の銀行対応は次のとおりです。
これだけです。
黒字の月はもちろんですが、赤字の月も必ず送ります。
ただし、赤字の場合は、必ず赤字の原因と今後の見込みを添付します。
これだけで、銀行の担当者からの信用は一気に上がります。
時間にして数分で終わる作業なので、必ず行っています。
決算書の重要性
いざ融資を受けようとなると、前述の付き合い方より大事になるのが、直近の決算書です。
当然、利益がたくさん出ていれば問題ありませんが、そもそも融資を受けようと考えている時点で、赤字の可能性が大なのではないでしょうか。
決算書の損益計算書を見ると、次の4つの利益が書かれています。
- 営業利益
- 経常利益
- 税引前利益
- 純利益
どの利益が最も重要かご存じですか?
なぜかと言うと、詳細の理由はさておき、銀行が各企業を点数化する際のポイントが営業利益に重きを置いているからです。
融資の際、銀行員や支店長が企業を評価していると思っていませんか?
下手をすると、決算書もろくに読めない銀行員もいるんです。
また、心情が入らず公平に融資の判断をするためにもコンピューターに決算情報を入力して、点数化するのが今の銀行のやりかたです。
そのため、どんなことがあっても、営業利益を黒字化しておく必要があります。
営業利益を黒字化するためのヒントを2つか挙げておきましょう。
これって、粉飾決算にならないの?と思った人、大丈夫です。
粉飾決算にはなりません。
会社の売上や経費と言うのは、ある程度、会社が決めることができるようになっていますし、これをしたからと言って、税引前利益と純利益は変わらないので問題ありません。
あくまでも、対銀行の点数のアップを図るだけです。
不安な人は、会社の税理士に相談してみてください。
まとめ
私の記した方法が絶対正解だとは言えませんが、個人的にはそれなりに自信があります。
しなければならないことは、たったの2つです。
1つ目は、「毎月の試算表を銀行に提示する。」
これは毎月ですが、作業時間は数分なのでできますよね。
2つ目は、「決算書の営業利益を黒字化する。」
これは決算書作成時に税理士と打合せをしていかないと、確定申告後は変更ができないので、納得が行くように時間を掛けて作成しましょう。
決算書は税理士が作るのではなく、社長が作るものと意識してください!
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